令和5年度 総合的な探究の時間防災東北研修 ~避難と復興のまちづくりを学ぶ②~
2023年8月9日 08時30分〇7月26日(水)
~宮城県仙台市荒浜、女川町、旧大川小学校震災遺構、石巻市雄勝、石巻市北上町~
二日目はまず、仙台市平野付近の多重防御による復興まちづくりを学ぶため、住宅基礎の遺構が残る荒浜を訪れました。女川町では、復興の拠点となった「シーパルピア女川」を訪れ、町が土地を整備し、外部からテナントとして入ってもらう道の駅の様子を視察しました。ここでは、復興策を考える際に「還暦以上は口を出さず」という方針で、次の世代に町の将来を託したという話がありました。
その後、南予地域と同じくリアス海岸、狭い土地で行われている復興まちづくりを視察するため三陸海岸に移動しました。住民の合意形成による復興の難しさや、人命を守ることを最優先で建設された巨大な津波防潮堤の実情について学びました。
午後からの、旧大川小学校災害遺構では、震災当時の児童たちの動きを辿りながら、災害発生時の行動・判断・複雑に絡まり合う避難の状況に向き合いました。「山は命を守らない、山に登るという行動が命を救う」という昨年度語り部をしていただいた、佐藤敏郎様の言葉をもとに、知行合一の大切さを改めて考えることができました。
北上町では、住民の中心となって復興を行ったNPO法人ウィーアーワン北上の代表理事、佐藤尚美さんからお話を伺いました。被災者の合意形成の実態や、後世に残したい町の未来について考え、故郷の荒れ地を杜に再生する「平地の杜プロジェクト」について教えていただきました。実際に現地で杜の再生の様子を見学し、非居住区域となった土地の未来について考えることができました。
「災害以前のまちに戻すのは復旧、以前のまちよりも魅力的で素敵なまちにしていくのが復興」だと学びました。