校長室より

 

<校長室から>-----------------------------------------------

■平成30年度 入学式 式辞 (H30.4.9)

■平成30年度 始業式 式辞 (H30.4.9)

 ■平成30年度 進路のしおり巻頭言 (H30.6.25)

 ■平成30年度 第1学期終業式式辞 (H30.7.20)

 ■平成30年度 第2学期始業式式辞 (H30.8.24)

 


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 ■平成30年度 入学式 式辞 (H30.4.9)

入学式 式辞
草木が芽吹き、花開く季節を迎えた今日の佳き日に、多数の御来賓の皆様の御臨席を賜り、平成30年度 愛媛県立南宇和高等学校入学式をかくも盛大に挙行できますことを大変ありがたく存じます。御来賓の皆様、御多用中のところを、誠にありがとうございました。厚くお礼申し上げます。
保護者の皆様、本日はおめでとうございます。心よりお喜びを申し上げます。私ども教職員一同、皆様がこれまで大切に育ててこられました前途有為な若者たちを、責任を持ってお預かりいたします。そして、お預かりします以上は、「南高」にきて良かったと思って卒業していただけるよう、力の限り教育に当たりたいと考えておりますので、どうか、家庭と学校が車の両輪となって、成長を支えることができますよう、ご協力をお願いいたします。
本校は、明治40年に南宇和郡立水産農業学校として創立されて以来、社会を支える有為な人材を数多く輩出し、昨年度、創立110周年を迎えた伝統校であります。この110年のうちには、全国高校サッカー選手権大会優勝、野球部の甲子園出場をはじめ、数々の偉大な足跡が残されております。そして、それらの輝かしい歴史の上に、地元愛南町からの絶大なるお力添えをいただきながら、新たな歩みを刻んでいる学校であります。
ただ今、入学を許可しました124名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんは、9年間の義務教育を終え、自分の意思で本校への進学を決意し、合格されました。南宇和高校は皆さんの入学を心から歓迎いたします。皆さんは、伝統ある本校で、そして、地元から深く愛されている本校で学べることに誇りを持ってください。
さて、新入生の皆さんは、高校生活のスタートに当たって、大きな希望と幾ばくかの不安を抱いていることと思います。
それぞれの大きな希望を大切にして、自分の立てた志の実現を目指して、努力を継続し、知性を磨き続ける人になってください。
また、不安なことや困ったことがあったら、まわりの誰かに相談してみてください。南宇和高校は温かい学校です。心にゆとりを持ち、度量の大きな人になろうと励んでいる優しい上級生や、親切な教職員が、皆さんを大きく包んでくれると思います。
そして、仲間と日々切磋琢磨する中で、南宇和高校のよき伝統を引き継ぎながら、新たな価値を創り出し、南宇和高校、愛南町、日本、そして世界の未来へとつなぐ役割を果たす人になってください。
皆さんのこれからの3年間が、それぞれの個性や才能を存分に伸ばし、ひとまわり大きな人間へと成長させる日々になることを切に願って、式辞といたします。

 

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■平成30年度 始業式 式辞 (H30.4.9)
始業式 式辞
平成30年度がスタートしました。今日から、皆さんは、1学年ずつ進級されました。おめでとうございます。
先ほどの新任式でご紹介いただきましたが、私は、この度、南宇和高校の校長として赴任しました島瀬省吾です。もともとは、地歴・公民の教員です。
昨年度まで、11年間、学校を離れ、教育委員会で勤務していました。4月に入って本校で勤務を始めて以来、春休み中の皆さんが部活動に励む姿を見たり、皆さんの明るい話し声や楽器演奏の音などを聞いたりしているだけで、学校で勤務していることを実感し、幸せに浸っています。皆さん、本当にありがとうございます。
さて、「一年の計は元旦にあり」とよく言われますが、皆さんも今年の正月には、目標を立てたのではないかと思います。その目標に向かって、少しずつ前進できているでしょうか。今一度自分自身を振り返ってみてください。
今日は、年度の始まりの日です。正月に立てた今年の目標と関連させながら、皆さんそれぞれが、今年度の目標を立ててみてください。「部活動で全国大会に行こう」「第一志望校に合格するぞ」「希望の企業に就職するぞ」など、いろいろな目標があると思います。
目標を立てたら、少しずつでもその目標のために行動をしましょう。意外と忘れがちな真実ですが、過ぎ去った時間を取り戻すことはできません。そして、起こった出来事を変えることはできません。変えることができるのは、未来だけです。未来を変えるのは、現在の行動の積み重ねだけです。
皆さんには、「今までやろうとしていたけれど、なかなかできなかった」と反省していることがあるでしょう。いいんです。今日からやれば。今日という日はそういう日だと私は考えています。
また、皆さんには、失敗したと思った経験もあるでしょう。私にも勿論、そんな経験がたくさんあります。しかし、失敗したなと思う経験をすることは、本当の失敗ではありません。本当の失敗とは、その失敗を改めないことです。
もう一度言います。変えることができるのは未来だけです。未来を変えるのは今日からの行動です。皆さんのこの1年間の大いなる飛躍を期待しております。私自身も成長したいと考えています。生徒も教職員も共に育つ学校を目指して、一緒に頑張りましょう。
以上で平成30年度第1学期始業式の式辞といたします。

 

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■平成30年度 進路のしおり巻頭言 (H30.6.25)

 

本立而道生 校長 島瀬 省吾


 校長室に、「本立而道生」の扁額がある。『武士道』で知られる新渡戸稲造博士の真筆である。新渡戸が札幌農学校で教鞭を執っていた頃、同校で学び、新渡戸を恩師と慕っていた一人が、愛媛県越智郡宮浦村(現・愛媛県今治市大三島町)出身の菅菊太郎氏。菅氏は、本校の前身である南宇和農業学校の校長(昭和7年12月~昭和13年8月)も務めた農学者、郷土史家、教育者である。菅氏が校長在任中の昭和8年7月に、学校創立25周年の記念にと、恩師である新渡戸に依頼したところ、それに応えて快く揮毫してくださったとのことである。菅氏は、まさに謹厳実直を絵に描いたような偉人で、愛南町各地には、今もいろいろな「伝説」があるらしい。

有子曰、「其為人也孝弟、而好犯上者、鮮矣。不好犯上、而好作亂者、未之有也。君子務本。本立而道生。孝弟也者、其為仁之本與。」(『論語』学而第一)

有子曰わく、其の人と為りや孝弟にして、上を犯すを好む者は鮮(すくな)し。上を犯すことを好まずして、乱を作(な)すを好む者は未だ之れ有らざるなり。君子は本(もと)を務む。本(もと)立ちて道(みち)生(しょう)ず。孝弟なる者は、其れ仁の本(もと)為るか。

有先生がいわれた。――
「家庭において、親には孝行であり、兄には従順であるような人物が、世間に出て長上に対して不遜であったためしはめったにない。長上に対して不遜でない人が、好んで社会国家の秩序をみだし、乱をおこしたというためしは絶対にないことである。古来、君子は何ごとにも根本を大切にし、まずそこに全精力を傾倒して来たものだが、それは、根本さえ把握すると、道はおのずからにしてひらけて行くものだからである。君子が到達した仁という至上の徳も、おそらく孝弟というような家庭道徳の忠実な実践にその根本があったのではあるまいか。」(下村湖人『現代訳論語』)

 私は、高校生の時、自分が将来教員になるとは考えてもいなかった。大学は法学部に進み、「教員免許ぐらい取っておくか。」という軽い気持ちで、「何となく」単位を取り始めたのだが、4年生のとき、忘れ難い教育実習を経験させてもらい、「この道しかない。」と、採用試験に臨み、この世界に入った。今から29年前のことである。ちなみに、同じ学部の同級生が200人程いたが、教員になったのは私一人である。子どもの頃から教員になることを目指してきた人たちからすると、邪道も邪道な進路選択の仕方かもしれない。
 他の仕事をしていたらどんな人生だったかなと、時に夢想することもあるが、後悔はない。
後悔はないのだが、「あなたは教員に向いていますか?」と問われたら、「もちろんです。」答える自信はない。また、自分にとって教員がベストの仕事であったかも、分からない。ただ、これまでも、自分なりにではあるけれど、仕事に対して誠実に取り組んできたという自負はある。そして、教員というのはすばらしい(大変でもあるが…)仕事であるということも自信を持って言える。
何がその人にとってベストの仕事であるかはおそらく誰にも分からない。しかし、当たり前のことだけれど、自分の道は自分で進んでいくしかない。自分にとってのベストは何かと考えすぎると、かえって自分の可能性を狭めることになるかもしれないということを、皆さんには覚えておいてほしい。大切なことは、「ベストが見つからないからといって何もしない。」のではなく、「まず、やってみる。」ということ、そして、その時々に誠実に事に当たるということなのではないかと思う。
ところで、私が今まで最も影響を受けた「先生」は、高校1年生の時のホームルーム担任であった。反発したこともあるが、ものの見方や考え方の基礎を教わった。私が結果として教員の道を選び、今こうしているのは、思えば、彼の影響によるところ大である。
 そして、菅菊太郎氏のことを私に教えてくれたのも、実は彼であった。私が大学4年生の時、当時南高に勤めていた彼に偶然出会い、彼が、「今、菅菊太郎について調べよるんよ。」と言って、その論文の抜き刷りをくれたのである。それから約30年、菅菊太郎氏のことも、抜き刷りのこともすっかり忘れていた。
図らずも今春、南高の校長室に座ることとなり、新渡戸博士の扁額に出会い、菅菊太郎氏に「再会」した。そして、「あの抜き刷りを取っておくんだったなあ。」と思いながら、校長室のキャビネットを開け、100周年記念誌を手に取ると、記念誌の箱の中から、何と、その抜き刷りが出てきたのである。まさに、隠し扉を見つけて、その扉を開けたら、思わぬ絶景に出会えた感じだった。不思議な縁を感じずにはいられない。
私にとっては、「誠実に事に当たる」ということが「本」なのだと思う。これからも、少しずつでも着実に「道」を進んでいきたい。皆さんにも、それぞれの「本」を求めながら、それぞれの「道」を着実に歩んでほしい。

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■平成30年度 第1学期終業式 式辞(H30.7.20)

  先日の豪雨は、本県を含む西日本各地に甚大な被害をもたらしました。本校の生徒、教職員が直接に被害にあったという報告はありませんでしたが、離れて生活しているご家族やご親戚、お知り合いの方々に被災された方もあると思います。繰り返しになりますが、心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早いご回復をお祈りします。
さて、本日、1学期の終業式を迎えることができました。皆さん一人ひとりは、悩んだり苦しんだり、いろいろな思いを持ちながら学校生活を送っていることと思いますが、何はともあれ、皆さんに大きな事故などもなく、無事1学期を終えられることを、生徒の皆さん、保護者や地域の方々、そして教職員の皆さんに心から感謝します。本当にありがとうございます。
1学期を振り返って見ますと、まず、全校の皆勤率は約80%でした。調子を悪くする人が少なかったということは、有り難いことだと思います。グローバルGAPの認証は柑橘分野では全国の高校で初という快挙でした。部活動では、相撲部、陸上部、水泳部が、インターハイへの出場権を獲得しました。また、自然科学部も、全国高等学校総合文化祭に出場します。すばらしいことだと思います。皆さんの活躍を大変うれしく、そして誇らしく思います。
さて、2、3年生の皆さん、私が始業式に話したことを覚えているでしょうか。先日の体育祭の結団式で、紹介してくれたグループ長さんがいて、とてもうれしかったのですが、始業式で、私は皆さんに「今年度の目標を立てましょう」ということ、「目標を立てたら、その目標に近づくために少しずつでも行動しましょう」と話しました。そして、「変えることができるのは未来だけ。未来を変えるのは現在の行動の積み重ねだけ。」ということ、「本当の失敗とは、その失敗を改めないこと。」と話をしました。
 1年生の皆さんには、入学式で、「大きな希望を大切にして、自分の立てた志の実現を目指して、努力を継続し、知性を磨き続ける人になってください。」と伝えました。
 努力を積み重ねることは、大変なことですよね。しかし、大変だからこそ、努力を積み重ねた後に得られる成長も大きいのです。「結果が全て」という人もいますが、私は、特に成長段階にある皆さんには、「過程が大切」だと考えています。一つ言葉を紹介します。
「努力して結果が出ると、自信になる。 努力せず結果が出ると、傲りになる。
努力せず結果も出ないと、後悔が残る。 努力して結果が出ないとしても、経験が残る。」
 皆さんの1学期は、どうだったでしょうか。「十分でなかったな。」と思う人は、今日から取り組みましょう。いいですか。今日からです。何度も言うように、過去を嘆くだけでは、未来は何も変わりません。未来を変えるには今日を変えるしかありません。少しずつでもいいんです。未来のために、行動あるのみです。
 いよいよ、明日から夏休みです。課外や部活動などもありますが、学期中に比べると、自分が自由に使える時間は格段に多いと思います。3年生にとっては進路に直結する夏です。1、2年生にとっては、あらゆる面で大きく伸びることができる夏です。
細かい注意は担任に任せますが、今なら、全ての皆さんが、充実した夏休みを送ることができます。2学期の始業式に、「やりきったぞ。」という充実感に満ちあふれた元気な笑顔の皆さんに再会できることを楽しみにしています。

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■平成30年度 第2学期始業式 式辞(H30.8.24)

 

  今日から2学期が始まります。皆さんの夏休みはどうだったでしょうか。「やりきったぞ。」という充実感に満ちあふれた笑顔は、皆さんに浮かんでいるでしょうか。反省すべきところがあるという人は、言うまでもありません。今日からリスタートです。少しずつでも前向きに努力を続けましょう。
まずは、皆さんが、無事2学期を迎えられることを、大変有り難く思います。生徒の皆さん、保護者や地域の方々、そして教職員の皆さん、本当にありがとうございます。


さて、夏休みの皆さんの活動を振り返ると、まず、相撲部の土居君、陸上部の宮崎君、水泳部の清水君がインターハイへ出場しました。土居君は予選を突破し、決勝トーナメント進出者決定2回戦まで進出、宮崎君は見事ファイナリストとなり全国13位、清水君は、自己ベストで全国46位のタイムを記録しました。また、農業科生徒が農業クラブ各種発表県大会に出場、自然科学部の松本さんと加納さんがポスター発表の部で全国高校総合文化祭に出場、吹奏楽部が吹奏楽コンクールで、4年連続の金賞を受賞、そして、先日は地域振興研究部が「全国商い甲子園」に出場し、最優秀の岩崎彌太郎賞を受賞するなど、非常に多くの活躍がみられました。
もちろん、今紹介した人たちだけが、この夏休みに頑張った訳ではありません。暑い中、一生懸命課外に取り組んだ人、部活動の練習を頑張った人、進路の実現を目指して勉強に取り組んだ人、ボランティア活動に参加した人、等々、皆さん一人ひとりにそれぞれ頑張ったものがあると思います。中には、その頑張りが思うような結果につながらず、くじけそうになっている人がいるかもしれません。しかし、努力の結果がいつ実を結ぶかは、分かりません。とりあえず、今日やるべきことを、淡々とやりましょう。明日も、淡々とやりましょう。明後日も淡々とやるだけです。「静かに行く者は健やかに行く。健やかに行く者は遠くまで行く。」という言葉もあります。あなたの努力は、他の誰かが知らなくても、あなた自身が知っているはずです。陰で努力を続けていれば、いつか必ずよいことがあります。困ったときに、「不思議と幸運に恵まれる人やチーム」「不思議と誰かが力を貸してくれる人やチーム」というのがありますが、自分以外の力を引き寄せることができる人とは、周囲の人が喜んで力を貸したくなる人なのではないかと思います。そんな人になりたいものですね。ちなみに、「落ちているゴミを拾う人」とか「いつも笑顔でいる人」などにも力を貸したくなるものです。たとえ人に知られなくても、やるべきことを「淡々と」続けましょう。
さて、2学期は、体育祭、文化祭など大きな行事があります。3年生にとっては、進路決定の重要な時期でもあります。自分自身や周囲の友達の変化に気づく感度のよいセンサーを身につけて、まずは、いのちを大切に、次に、体調を崩す人がでないように、そして、それぞれの本番を、ベストコンディションで迎えられるように、気をつけましょう。


皆さんの2学期が充実したものになることを期待して、そして、いつものように「笑顔と感謝」を忘れないようにということを確認して、式辞といたします。