令和5年度 総合的な探究の時間防災東北研修 ~避難と復興のまちづくりを学ぶ④~
2023年8月11日 08時30分〇7月28日(金)
~岩手県平泉町、南三陸町震災復興記念公園(旧防災対策庁舎遺構等)~
最終日は世界遺産に登録されている平泉中尊寺と、その周辺地域を訪れ歴史と文化遺産の保存、まちの形成プロセスについて学びました。平安時代に奥州藤原氏により建立され、繁栄した平泉の場所で、源義経など歴史上の人物たちの足跡をたどり、歴史に思いを馳せながら都市形成の在り方について考えました。
最後に、南三陸町震災復興記念公園を訪れ、津波が襲来している中、地域住民のために放送で避難を呼びかけ続けた旧防災対策庁舎の遺構を見学しました。隈研吾さん設計の南三陸東日本大震災伝承館「南三陸311メモリアル」を視察し、津波で大けがを負いながらも、雪が降る極寒の夜を建物の屋上で過ごし、生死の淵をさまよったという被災者の方々のお話を聞き、災害発生時の様子をリアルに感じ取り、自分ごととして考えることができました。想定を超えてくる自然災害の脅威と避難行動、まちづくりの困難さについて考えました。
町の拠点となっている「南三陸さんさん商店街」では、地域住民が「久しぶり!元気やった!?」元気に交流する様子が見られ、心が温かくなりました。まちの拠点が地域交流の場として機能し、人々の生活を明るく照らしていることを肌で感じることができました。被災された方々に対して安易に「共感します」と言うだけで表現することはできないし、してはいけないと思います。被災された方々にも様々な思いをお持ちと思いますが、出会った現地の人々からは「今」を生きているという、前向きなエネルギーを感じることができました。
〇おわりに
今回の研修では、災害発生時の避難行動について、被災後の復興・まちづくりについて自分ごととして学びを深めることができました。「復興・まちづくり」と聞くと、難しい内容や行政の役割だろうと考えていたこともありましたが、個人個人が「自分たちのまちをどのように未来に残していきたいか」という具体的なビジョンを持ち、小さな一歩でもいいからとにかく行動をおこすことの大切さを感じました。研修で訪れたまちや、お話をしてくださった方々の思いを受け継ぎ、南海トラフが起こった時は、過去の教訓があったから一人でも多くの命が助かるという「未来を拓く」ことができるように、今回の経験を多くの方に伝えていきたいです。
本研修にご協力いただいた多くの方々、本当にありがとうございました。